〜あらすじ〜

−あなたは、クリスマスに…一緒に過ごす人はいますか?誰かに恋をしていますか?




私は今…塾に通う通学列車の中で、クリスマス前にある人に恋を…しています。



ガタンゴトン…ガタンゴトン…

(電車が走る音)

「はぁ…なんとか間に合った…。」

カチャッ(携帯を開く)

「12月…12日か…。クリスマス近いよぉ…。失恋したまま12月きちゃった…。」



−私の名前は、新垣梨奈。

家から電車と歩きで30分の「S高」という進学校に通う高校2年生です。

勉強し続ける毎日…つまらない日々。唯一の楽しみは夕方塾に行くために乗る電車です。



あの人に…会えるから。



「今日は寝てる。優しい寝顔♪学校で疲れるんだろうなぁ。彼女とか…いるのかなぁ…」

「本条!」

ビクッ。

「なんだよ…正樹…起こすなよ。ったく。」

「相変わらずだなー。だから彼女いないんだよ。しっかりしろよ。」

「お前にだけは言われたくない。」



−私のつまんない日常の唯一の楽しみは…彼を眺めること。

1ヵ月前、塾のテストのため早く電車に乗ったとき偶然見掛けた。いわゆる一目ぼれ。

その日からわざと早い電車に乗って毎日彼を見ています。

彼の名前は本条直哉君。

私より三つ先の男子校でレベルの高い高校、N高校に通う高校三年生。

そして…現在彼女がいないってこと…友達の名前は正樹さんだってこと。



−私、稲垣梨奈。喋ったことも目が会ったこともないし、話しかける勇気もない臆病者…だけど、これだけははっきり言える。



−私、新垣梨奈、高校二年生。本条さん、貴方のことが



好きです。




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