翌日…れいなと託間のデートの日

「託間ー♪こっちっちゃー!遅いとー!」

れいなの少し怒った声が広場に響いた。

「早いなれいな…ってか睨むなよ恐いから」

「れいな待つのは嫌いって言ったっちゃ。」

「ごめんて、ちょっと戸惑って…。」

「まぁいいと。はよ行かな試合始まっと!」

れいなと諏訪は走って佐々木の学校に入っていった。

行ってみると佐々木は試合をし終えたところだった。

「あー今休憩時間か。佐々木ん所行くか?」

「う…うん。い…行く。」

(男なんて一緒にいなきゃ浮気するもの。特に共学行ってるやつはね…)

れいなの脳裏にこの間愛が言ってた言葉が過ぎっていた。

(どうしよう…佐々木が浮気していたら…れいなはどう反応したら良いとぉ?)

「佐々木ー!」

れいながタオルを手に持ち佐々木に声をかけたとき…

「佐々木くんお疲れさま♪はい、タオル♪」

「あ、ありがとう。疲れたー。」

佐々木にタオルを差し出したのはれいなではない女の子だった。

「………(佐々木の横に女の子?)」

れいなはもちろん放心状態…頭の中には愛が言った言葉だけが流れてくる…

(男なんて一緒にいなきゃ浮気するもの…)

佐々木を見て男子レギュラーがれいなの横で小声で喋っていた。

「まーた出たぜ…久住っちゃ。佐々木には彼女いるって解ってるくせに孟アタック…。」

「あー女バレーのレギュラーと?まだ中学1年生だからいじめあってるって聞いたけん」

「佐々木はスポーツ推薦だから人気っちゃ」

「久住はスポーツ推薦でもなく入ってうまいわけでもないらしいがコネでレギュラー。」

「なにそれ…久住ん家金持ちだもんなー。」

そんな話をしていた男子二人がれいなのほうを見て、立ち去って行った。

その二人により隠されていたれいなと諏訪はそのお陰で佐々木の前に現れた。

「……えっ!れいな…と託間…!なんで?」

(…やべっ!れいなの手…タオル!?)

佐々木はれいなのタオルを見て久住に渡されたタオルを突き返した。

「…佐々木…その女の子は…誰と?」

「あー久住さん。中等部の人だよ」

「佐々木…」

諏訪は咄嗟に佐々木の胸倉を掴んでいた。

「違うっ…託間!誤解だ!」

「誤解ってなんなんだよ!」

「この人はただ…俺はれいな…」

「ただとか言い訳すんなや…!」

「託間!もう…良いと、佐々木…佐々木も男やけん…側に女の子がいたら佐々木のこと好きな子も…きっと出来ると…いいと…。」

ダッ! れいなは駆け出した。

「れいな!…佐々木…追い掛けないのか?」

「…試合が…」

「俺が説得するから後でちゃんと謝れよ。」

「頼んだ、託間。」

諏訪はそう言って体育館をあとにした。

「れいな…」

諏訪は学校の中庭でへたりこんでいるれいなに声をかけた。

「あのさ、れいな…佐々木は決して…」

「わかっと。さっき男子が喋ってたの聞いてそんなことぐらい知っとーと。」

「じゃあなんで飛び出すんだよ。」

「そうするしかなかったっちゃ。でも…」

れいなは立ち上がり諏訪を見た。

「でもいつか佐々木がれいなを見捨てて新しい人と付き合うかもしれんから不安けん…」

「れいな…佐々木を信じろよ。ずっと幼なじみ…やってたじゃないか。」

「れいなの親がそうだったっちゃ…。」

「え…?」

れいなの声は沈んでいた。見兼ねた諏訪は違う話しに切り替えた。

「れいな。俺…れいなに言わなきゃいけないことがあるんだ。」

「なん…?」

「俺、矢口先生に告白されたんだ。」

「…真里姉ちゃんに!?」

「受けるかどうかはわからないけど真剣に考えようと思ってる。矢口先生を嫌いってわけじゃないし俺も新しい恋がしたいから…。」

れいなは凄く慌てた顔になった。

「お願い託間!受けんで…!真里姉ちゃんの彼氏になったりしないでくれん?」

「雅兄が矢口先生のこと好きだけど…雅兄次第で俺は矢口先生の告白を受けるつもり。」

「やめて!お願い…真里姉だけはやめて!」

「どうしてそんなに否定するんだよ?」

「真里姉ちゃんは…れいなの家庭を壊したっちゃ…。れいなのパパとママを引き裂いたっちゃ…パパとママは子供の頃からの仲だったっちゃ…真里姉のママせいでれいなの実の姉も…真里姉たちのせいで出て行ったと…。れいなは前の家族が大好きだったのに!だからお願い!託間まで…消えないで…。」

「…泣くな。」

「佐々木のこと…信用するから…」

「あれ?さっきいた人たちですよね?」

れいなと諏訪が話しているとある女性が話し掛けて来た。

「さっきの…佐々木といた女の子!」

「はい!佐々木君かっこいいですよねー優しくて♪今度遊ぶ約束しちゃったんですー♪」

ドキンッ!

れいなに衝撃が走った。

「佐々木と…あなたが遊ぶ約束…?」

「はい♪」

「れいな?」

「佐々木のバカ。」

れいなはそれだけ呟いて学校から出て行った。