高校1年になった諏訪・れいな・佐々木はそれぞれ別の高校に入った。

七月。放課後…諏訪は部活に行った。

「なぁ…諏訪、お前、彼女いたりする?」

諏訪が携帯を触っていると部活の先輩の鈴木が話しかけて来た。

「彼女?いるわけないじゃないですか。」

「んじゃ女友達はいる?」

(女友達…)諏訪の頭にれいなが過ぎった。

「まぁ…親友っぽいのがひとり…います。」

「まじ!?紹介して!可愛い?どこの子?」

「残念でした。彼氏いるんですその子。」

「なんだよぉー。誰かいねぇ?」

「でもその子女子高だから友達で彼氏いない人結構いるかもしれない。」

諏訪はわざと小声で喋った。

「頼む!その子に頼んで!男子校じゃ女見つからんけん困っとっちゃから…諏訪頼む!」

「耳いいですね。今日会うから頼んでみますよ。年下かもしれないですが良いですか?」

「サンキュー頼んだぞ♪」



そして待ち合わせ場所のレストランにて…

「託間ー♪こっちっちゃよぉ♪」

「…高校入った途端託間って言うなよ。」

「いいやんいいやん親友なんっちゃから♪」

「あれ?今日佐々木は?」

「佐々木…クラブで忙しいっちゃから…。」

れいなの声は沈んで聞こえた気がした。

「なに沈んでんだよ。喧嘩でもしたか?」

「んなわけなか!」

「そんな必死にならなくても(笑)れいな今日部活は?なに入ってんだっけ?」

「ダンス部ーJPOP系のね。週3だから今日は休み。託間は卓球だったっけ?」

「うん。それで…相談事なんだけど…さ。」

諏訪は学校で鈴木と話してた内容をれいなに話そうとした。

「れいなの友達で彼氏いない子とかいる?」

「なーに、託間彼女欲しくなったとぉ?」

「俺じゃなくて…先輩が誰か紹介して欲しいらしいんだけど…だめかな?」

「んーその先輩のメルアド教えてくれん?明日同じ部活の先輩に聞いてみると。」

「ありがとう。頼むよ。」

次の日…放課後、部室にて。

「鈴木先輩、頼んだんで。俺の友達にお前のメルアド教えておいたのでよろしくです。」

「………」

「鈴木先輩?なに硬直してるんですか。」

「今…らしき人からメ…メールが…きた。」

「おぉ。相変わらずれいなは早いな。」



[初めまして、れいなちゃんから教えて頂きました。あさ美って言います。中学から女子高なのであまり男性には慣れていないんですがよろしくお願いします。あ…ちなみに高二でダンス部です。]



メール内容は丁寧に書かれていた。内容から少し緊張が伝わって来た。鈴木は即メールを返そうと内容を考えていた。



…一方れいな達は学校の帰り途中だった

「お…送っちゃったよぉ…どうしよう…」

あさ美が震えた声で友達と喋っているれいなに話し掛けて来た。

「あ♪送ったと?大丈夫大丈夫♪託間の友達なら悪いやつじゃないと。安心しちょ♪」

「え?あさ美誰かとメールしてるん?」

「れいなが今日親友の友達紹介したと。愛さんもする?紹介するとよ?」

「私はいいよ。今は男に興味ないから。」

愛は冷たくれいなにかえした。

「愛はいいよ。女子高なのにモテるんだから。こないだまで彼氏いたじゃん。」

「羨ましい?絵里、男なんて一緒にいなきゃ浮気するもの。特に共学行ってるやつはね」

「…そういうもんなんですか?れいな…彼氏共学だから…離れると不安と…。」

「私の彼氏の場合はだよ?」

れいなは不安な顔をしていた。

「大丈夫だよ、れいなちゃん。愛の歴代の彼氏は根っからの遊び人だったの。ね、愛?」

「余計な事言わんでよ、絵里。あの人は違うよ。あの人は…私が本気で愛してた唯一の人なんだからね。悪口言わんでよ。」

「ごめん…」

愛は話に参加してこないあさ美のほうをみた。あさ美を見るとあさ美は道の真ん中に棒立ちしていた。

「あさ美、なに硬直してんの置いてくよ!」愛は硬直してるあさ美を叱った。

「ふゎゎゎゎ!」

ビクン!(三人ともビクッと肩をあげた)

「な…どうしたと?あさ美さん!」

「メ…メールが返って…返ってきた…」

「うそ!?」



[初めまして。鈴木です。俺も中学から男子校だから安心してください。俺は高二の卓球部です。あさ美さんのが勉強するだろうね。あさ美さんの学校頭いいって噂ですから。だから、邪魔にならないようにメールします、よろしくお願いします!]



「へーどう思う?絵里。」

「んーあさ美にはちょっと軽そう?愛は?」

「こんぐらいが1番じゃない?あさ美には」

「絵里、愛ちゃん…どうすれば…いいの?」あさ美がおどおどした態度で二人にはなしかけた。

「大丈夫だよ、あさ美。私たち全力で協力するから♪心配いらないって。」

「愛に任せたら恋愛成功するかわかんないけどねー(笑)」

「絵里には言われたくないんだけど?」

「あさ美、大丈夫だからね。」

「れいなも協力するとよ!託間の先輩っちゃから託間にちょっと聞きだしとっからね。」

「ありがとう…三人とも。」

「ほら、わかったら早く返事書く♪」

愛は歩きながらあさ美に微笑みかけていた。このあさ美のメールが原因で愛に驚きのことが起こるとは誰も思いもしなかったのだ…。