3月5日この日は諏訪の合格発表の日であった。
諏訪は先生に合否を伝えに学校に行った
「矢口先生。う…受かりました。」
「本当?良かった!これでやっと話せる。」
「???に…諏訪雅俊って人の事ですか?」
「ううん。私の想いを。諏訪君に。」
矢口は真剣な顔だった。諏訪はきょとん顔でいた。
「私ね、先生やめるの。…友達にスカウトされて、別の事を始めるの。それで…」
「辞めちゃうんですか…中々会えなくなるんですね…これから。なんか残念です。」
「…好きなの。」矢口は急に口ごもった。
「えっ?」諏訪はなんの事か判らなかった。
「諏訪託間君が…好き。四月から…矢口と付き合ってくれますか?」
「ふへ!?」
諏訪は思わず不思議な声を発した。
「…返事は卒業式でいいから。じっくり考えて良い返事…待ってるね。」
矢口はそういって部屋を出て行った。
(…先生が…俺を?好…き?嬉しいけど…こういうのって…ありなのかな…?)
「諏ー訪?どうしたと〜?」
「…うわっ!れ…田中さん!びびったぁ…」
「それはこっちの台詞っちゃ!こんな公園でなに百面相しとーと。あ…もしや!」
そう、諏訪は驚いて公園で悩んでたのだ。
「…高校は合格しました。」
「なんだ。落ちて沈んどと思ったっちゃ!」
「俺だって悩む事ぐらいあるよ…いろいろ」
「ふーん。諏訪もしや…れいなに告っときながら好きな女でも出来とー?」
「…ヤキモチ?」不思議とその言葉が出た。
「ばっ…違うけん!れいなまだ佐々木の事諦めてないっちゃ!だから…卒業式に告るっちゃから…だから諏訪…応援してくれると?」
「…別に良いよ。ただし条件があるんだ。」
「条件?なにっちゃ?」
「俺は…卒業式まで…れいなの恋が実るまで…れいな好きって気持ち、終止符打てないから、話さない。卒業するまでは話さない」
「え…あ…卒業するまでって?」
「友達の関係でもないってこと…話したら佐々木になにか言いそうになってしまうから」
「卒業したら友達やれる?終止符着いても…友達やれる?れいな…佐々木以外に初めてなんだっちゃ…友達…初やけん。ダメ?」
この言葉を発した時のれいなの顔は凄く可愛かった。
真剣に悲しそうな顔だったので諏訪はまたドキッときた。
「あぁ。それでれいながいいんなら。」
諏訪は笑顔で答えた。れいなが幸せならそれでいい。笑ってるれいなを見る為だったら、フラれても自分は友達でいいと思った。
「…ありがと。(諏訪が初めてれいなをれいなって呼んだっちゃ♪嬉しいとぉ。)」
「…こっちこそサンキュー。なんか…少し吹っ切れた。んじゃ!卒業式に会おうな。」
諏訪はそういって公園を後にした。次の日かられいなと諏訪は別行動し始めた。
卒業式当日。
「諏〜訪〜君!卒業おめでとぅっちゃ。」
「…!なんだれいなか。君って言うから誰かと思った。れいなもおめでとう。」
「へへっ喋るの久しぶりっちゃね。」
「れいな!託間!どこいっとぉ探したと。」
「佐々木!こっちも探してたんだよ。お前…ひとりか?珍しい…彼女はどうしたんだ?」
「あ〜あいつとは…別れた。ふったんだ。」
「マジ!?なんで!?」二人同時に尋ねてた
「…好きな人が…見つかったけんと。」
「…」れいなは黙ってる事しか出来なかった
「…れいな」佐々木が真剣な顔になった。
「俺…れいなが好きと。付き合ってくれ。」
「…!?本…当?…れいなも…好きやけん」
れいなは突然で驚き涙が溢れてきた。嬉しかった
「よかったじゃん。れいな!佐々木!」
「託間…ごめん。」
「なんで謝るんだよ。遠慮すんなって!」
「諏訪は友達っちゃ永遠に親友っちゃよ!」
「れいな、佐々木が変な事したら俺ん所飛んでこいよ。いつでも受け止めちゃる。」
「うん♪」れいなは笑顔で答えた。
その時…
「諏訪君!」矢口が飛び込んで来た。
「あっ…先生…」
諏訪は数日前の事を思い出して下を向いてしまった。
「卒業…おめでとう。こないだはごめんね。いいから…聞き流してくれていいから。」
「え…?」突然の発言に諏訪は驚いた。
「じゃ!あと少しで教室集合だから遅れるんじゃないよ〜れいな!わかっと〜ね?」
「わかっとっちゃよ。姉ちゃん♪」
「へ!?姉ちゃん!?」
「なに託間知らんと?矢口さんとれいなは義理の姉妹とよ。親が再婚しとーと。」
「…マジ!?じゃあもしかして…試し…!」
「どんぴーん♪」
「じゃあ辞めるって言うのは?」
「友達でそういう子がいるんだよ♪」
その時だった。
向こうから諏訪雅俊が歩いてきた…。
「あっ…いた!託間!おい託間!探したぞ」
「ま…さに…(しまった…。)」
「…雅俊!?」矢口が仰天した顔になった。
「ん?や…矢口!…託間家帰ってるな。」
「まてい!今までどこ行ってやがった〜!」
そう言って真里と雅俊は去って行った。
「…まだ雅兄の消息掴めてなかったとね。駄目っちゃね〜爪が甘すぎと。」
「れいな…雅兄を知ってるのか?」
「もち♪お姉ちゃんの同級生で友達の彼氏っちゃ!友達が雅兄がまた消えたって言ってたから探してたんだと思うと〜。」
「へぇ…同級生なんだ…雅兄もやるよなー」
「ってか託間はなんで雅兄を知っとーと?」
「あ…ごめん、俺雅兄と知り合いだから…」
「二人とも、そろそろ教室帰らん?」
「そうだな。帰るか…」
諏訪はこれからも三人でやっていきたいと思った。
高校は違っても、初めて出来た親友を大切にしたい−そう思いながら家に帰って行った。
これから始まる出来事にどんな危険があっても…
「俺も…新たな恋…しなきゃな…。」
|